「教育費が払えないから子供は作らない」と街頭インタビューで答えている人がいました。
気持ちはよくわかります。
給料も物価も全然上がらないのに、教育関連の費用は右肩上がり。
人生の3大支出が、住宅費、教育費、老後資金 です。(各数千万円)
日本はOECD38カ国中37位の、国家が教育にお金を出さない国です。
他国が当然にやってくれることを、日本では期待してはいけないという事かもしれませんね。。
昔の親たちは友達の家を羨ましがる子供に、「よそはよそ、うちはうち」と言ってましたっけ。
「よその国がやっているからって、うちの国でやる必要はない。」という事なんでしょうか。
教育の無償化というニュースは聞きますが、条件が厳しいのであまり期待できません。
まぁいくら愚痴を言っても、この現状は変わりませんので、
私たちはこの環境の中で、工夫していくしかありません。
人生の3大支出のうち1つが無ければ、確かに負担は減ります。
でも子供の存在は何にも代えがたいものです。
私自身、子供を持つ前に想像していたのとは全く違って、
子供のおかげで自分の人生がガラッと変わった!とはっきり言えます。
欲しくてもできない人もいる中、可能性があるのならぜひ前向きに考えて欲しいと思います。
教育費の有効活用法
教育費を理由にあげる方は、自分の子供にはきちんと教育を受けさせて、
知的な人間になってほしいが、そのためには大金が必要だから、
いっそのこと子供なしでと思っていらっしゃるのではないかと思います。
子供に学力は必要ない、元気ならオッケーと思っているなら、
高い教育費を理由にしないと思います。
教育費はある意味、固定費です。
子供がいて、日本に住んでいる以上、親が絶対に支払わなければならないお金です。
ずっと公立でも大学までで1000万円という試算があります。(塾代などは含まず)
この最低1000万円のお金を、大切な子供のためにぜひ有効に使いたいものです。
中学受験しようと思ったら学校の授業だけでは絶対に無理です。
出題範囲が広く、「12歳の子供がこれ解くの?」って思うような難問が頻出します。
中学受験組は、一般的に4年生からサピックスや日能研などの塾に通います。
(3年間で200〜300万円かかります。)
10歳になる年齢です。
10歳ともなれば、大人のように考え、自分の意見を持っている子もたくさんいます。
そんな子が、親から理不尽に塾での勉強を強いられたら、家族の仲も悪くなるし、
よくない結果は見えています。
子供の学力をつけるには、この10歳になるまでの家庭での生活習慣が最も大切です。
それは生まれた時から始まっています。
幼稚園や小学校受験の話ではありません。
人は慣れていることをするのは、意外とすんなりできます。
ところが3年生までは勉強はやったりやらなかったり、
「4年生になったんだから塾に行って毎日勉強しろ」と突然言われたら、
それは子供の負担はとても大きいと思います。
そして、イヤイヤながら塾に行くことになると、
塾の授業中に集中力が続かず、成果が出ないので益々嫌になり、
友達に塾のクラスが負けて、自己肯定感も失われ、、、悪循環になります。
親はなんとか子供の成績を上げようとして、家庭教師やら個別やら、
子供の負担と、家計の負担を増やして、泥沼にハマってしまいます。
こうなったら、高い塾代は本物の無駄遣いです。
でも塾に行かなかったら、学校で教えてくれることが少なすぎるので、
中学入学以降の学力に大きな差ができてしまいます。
この差が大学受験に影響します。
中学以降も学力を維持するためには、私は中学受験の塾には行った方がいいと思います。
このシステムは本当に間違っていると思います。
本来は国が公費を教育に投入して、公立小学校でももっと学びたいという子には、
無料で高いレベルの学習を提供できる体制にするべきです。
今は標準の学習内容がスカスカで、
高度な授業を望む子は、自費で高額の塾へ行かなければならない、
教育の格差社会になっています。
でも、、愚痴っても変わらないので、現状に合わせると私は塾に行く選択が効率的だと思います。
有名塾のカリキュラムは最短距離で学力の底上げができるようになっています。
でもかなりハードなので、毎日勉強に慣れていない子にはとても辛いものになってしまいます。
全く運動したことのない人が、プロチームの練習に毎日フルで参加したら、
すぐにギブアップしてしまう、、ようなものでしょう。
でも0歳から、おうちでお勉強してきた子は、
勉強の基礎体力があるので、大変でもついていけるでしょう。
学習習慣をつける
0歳から10歳までに子供の勉強に対する基礎体力をつけてあげることが第一です。
赤ちゃんはどんどん成長していきます。
寝返りを打って、はいはいして、立って、歩いて、走って、、、
それと同時に学習習慣もつけましょう。
〇〇式教育などのいろいろな早期教育メソッドがありますが、
高いお金を払ってそれらに入会する必要は全くありません。
たとえ、週に1回素晴らしい理論の早期教育のお教室に通っても、
自宅で何もしなければ、何の意味もありません。
それより自己流でも、親が愛情たっぷりに、楽しく語りかけながら、
毎日必ずお勉強を日常生活に取り入れ、
10分程度でいいので習慣化すること、
それが後々それが大きなパワーとなります。
”毎日ちょっとずづつ続ける”
これは1回ごとの負担は軽いのに、すごいパワーを発揮するのです。
おすすめは、妊娠中にでも育児や教育本を読んで、
いいな!と思ったところを取り入れて、
自分流の方法を作っていく事です。
私は図書館の育児コーナーにある本は全て読みましたが、
それぞれの著者は信念を持って教育に臨んでいるので、
大変参考になり、勉強になりました。
でも全部に賛同できるわけではないので、あっちこっちのいいとこ取りをしました。
教材について
本屋さんの教育コーナーに行くと、公文などの早期教育用の教材はたくさんあります。
教材は何でもいいので好きなものを選んでください。
カードに色々なものの絵が書いてあって、裏にその名前が書いてあるものは便利です。
そんなにお金はかかりません。手作りしてもいいと思います。
私は初めは折り紙を白紙のカードに貼って、色の名前から始めました。
寝たきりの赤ちゃんは暇なのか、動くものに興味を示します。
カードを見せて「赤」「黄色」「青」などと言いながら次々にカードをめくっていくと、
楽しそうに眺めています。(夫は怪訝そうな顔で見ていました笑)
分かっているとか覚えているとかは関係なく、最も大切なことは必ず毎日やるということです。
そのうちお喋りもはじまり、カードを見せると「さかな」「くるま」など答えを先に言うようになります。
毎日やっているので覚えてしまうのです。
国旗のカードがあるのですが、カラフルで面白いのかその頃はなぜか大好きで、
100カ国以上を覚えていて、テレビに他国の国旗が映ると「パプアニューギニア!」「ケニア!」
と、興奮していました笑 2歳前くらいだったと思います。
私はこの記憶は一生ものだと思っていたのですが、
5~6歳の頃にはほとんどを忘れていて、ちょっとがっかりしました。
しかしこれは無駄ではなかったのです。
人間の脳は、生まれた直後から3~4歳ぐらいまでの間で急速に成長し、
5歳には成人の脳の85%程度まで発達するといわれています。
後に国旗に興味がなくなってしまっても、
最も脳が成長する時期に記憶のための刺激を与えたので、
(シナプスが通るという言葉で表現されます)
成人した今でも、子供の記憶力はかなり良い方です。
毎日10分程度でも効果は確実にあります。
ひらがな、カタカナもカードを見せる事から始めて、
その後書き方をやりました。
そして、プリント学習に少しづつ移行します。
本屋さんに行けば、山ほど売っていますので良さそうなものを選んで進めていきます。
お受験は必要か
なんかお受験対応みたいと言われそうですが、
私は小学校のお受験は必要ないと思います。
子供に真の学力をつけるためには、私立の小学校に電車通学するより、
徒歩圏内の小学校で自宅学習をきちんとすべきです。
私立は宿題も多く、学校の内申点を重視しますし、通学時間もかかります。
また通っている子たちの家庭環境にお金持ちが多いので、
「別荘に行った」とか、「高価な買い物をした」などに話を聞き、
心がざわついて、落ち着いて勉強できない心理状態になりかねません。
また私立は特別な授業をやっているように思えますが、
所詮小学生なのでそこまで授業内容は変わりません。
その上、学費その他の莫大な費用かかります。
小学校低学年の勉強は、親が充分わかる内容です。
そして中学生になった時に、学力で圧倒的に有利なのは、
公立小学校出身の中学受験組です。
褒めて育てる
成長に合わせて、どんどん内容とやり方は変えていきますが、
親は基本的に、赤ちゃんの時にやり始めた時と同じテンションでずっと続けましょう。
とにかく”親子で楽しく毎日お勉強する”ということ(小学校に入っても)
そして”必ず「よくできたね」ってオーバーに褒める”ことです。
褒めて育てろとはよく言われることですが、
点数が良かった時だけ褒めるのではなく、
毎日ちゃんと続けているということに対して褒めてあげましょう。
子供は褒められれば嬉しくなって、ますます頑張るし、
褒めてくれる親のことが大好きになります。
「お勉強は毎日必ずやろうね」と言って、親子で一緒に仲良く続けてください。
幼児の時は子供にとっては遊びの一環ですが、
それは”お勉強”であること、”必ず毎日やること”だということを
覚えさせて下さい。
この方法が成功するかどうかは親にかかっています。
”毎日必ず”、楽しい雰囲気で「お勉強始めようか」って
かなりの忍耐力が要ります。
でも親がほんの10分くらいの”お勉強”が続けられないのなら、
10歳の子供が、塾の膨大な塾の勉強ができなくても仕方ありません。
0歳から10歳まで、旅行先でも、運動会の後でも、ほんの少しでいいので必ず続けると、
だんだん子供自身が勉強の体力がついていきます。
腹筋運動を初めてやった時は3回しかできなくても、
毎日やっているうちに自然とできる回数が増えていくのと同じです。
目標
そして小学校低学年からぜひ身につけたいのが、
自分で学習計画を立てて、それをやり遂げる力です。
親や塾の先生に言われた事を、何も考えずにこなすだけでは、
長い受験期間を乗り切って、知識を自分の力にすることはできません。
学習計画を立てるのも最初は親子で一緒に楽しくやりましょう。
そしてだんだん一人でできるように助けてあげて下さい。
勉強を通じて、自分で考えて計画を立て、実行する力を身につければ、
それは一生役に立ちます。
中学受験前提で話を進めてきましたが、0歳から10歳まで親子で毎日コツコツ頑張れば、
子供が自立して学習を進められるようになりますので、
自分の時間をきちんと管理して、自ら学ぶことができる子になります。
親は子供に「勉強しなさい」と命令するのではなく、
赤ちゃんの時から手を取って、
生活の中に”お勉強”が当たり前に存在するように、
毎日を作ってあげて下さい。
親自身がとても大変ですが、ほんの10年頑張れば、
1000万円もの高い教育費を無駄にすることなく、
大切な我が子のために、最大限有効活用できるようになります。