保険は複雑で難しい。
表向きの保険額や保障内容などは説明を受けるが、なんかピンとこないままお薦めされたものに入る、ということはないだろうか。
保険加入の時に、全てを完璧にわかって契約している人は、どれくらいいるんだろう。
私の場合
我が家が結婚当時入っていた保険は、保障内容が実態にあっていなかった。
外資の金融機関に勤めていた夫が友達に頼み込まれて、友達のノルマのために入ったものだった。
子供が小さい時に、全て解約した。
そして次に入ったのが
・医療保険 主契約が夫で特約で妻の保障を付帯
・アカウント型保険(自由設計型保険)
・もう一つあったが、忘れてしまった。。。
アカウント型は保険代理店の担当者から勧められた。
契約者のニーズに合わせて保障内容などを自由に変えられる、子供が小さいご家庭にはとても良い保険だと。
その時はわかったような気がしたけど、実際は全然わかっていなかった。
分かっていない状態で契約してしまった。
夫は保険は専門外だったし、あまり興味もなかったようだった。
その後何年もの間、合計月4万円くらい保険料を払い続けた上、結局どちらも解約することに。
解約返戻金はかなり少なかった。
教訓
仕組みが複雑で自分が理解できない保険は、入ってはいけない!
シンプルイズベスト。
今思うと、この間支払っていた保険料を、インデックスファンド積立にあてて運用していたら、いくらになっていたんだろうかと考えると、悲しくなる。
例えば月4万円を3%で10年運用すれば550万円だ。
金利ゼロで普通に貯金しても480万円。
もっと早く分かっていれば、、、。
その後は、医療保険は無し、終身保険と介護保険に入っている。(それも成功ではない。やっぱり保険は難しい)
貯蓄型の終身保険だが、利息が恐ろしく低い。
ただ子供がまだ教育費がかかる年齢だったので、夫の死亡保障として入った。
掛け捨て定期保険にすれば良かったと思う。
介護保険は、、、今のところ保険料控除だけがメリット。
もうすぐ払い済みになるので、もうそのまま放置。
医療保険は長年入ってきたが、個人的には必要なかったと思っている。
私は今50代だが、実は今まで病気や怪我で入院したことがない。
入院したのは出産の時だけだ。
別に取り立てて、体が強い訳ではない。
風邪をひきやすく、しょっちゅう熱を出して寝込んでいた。
なんとなく不安で(何も考えず)20代の時から医療保険に入っていた。
保障内容は入院1日5000円、手術10万円とかだったと思う。
結果、一度も使ったことがなかった。
健康だったのはラッキーな事だが、保険会社にとっては本当にいいお客さんだ。
今後は入院の機会はあるだろう。
でも私は、入院費や医療費は貯金から払う。
そのための医療費用の貯金をしている。
社会保障制度
日本には社会保障がある。
何かあった時に私たちを助けてくれる、公的なセーフティネットだ。
国、地方公共団体などが実施していて、多岐にわたる。
民間の保険に加入する際、考えるべきものは以下の3つだろう。
- 健康保険
- 国民年金
- 労働保険
順に解説する。
1.健康保険
日本は国民皆保険だ。
会社員は、雇い主が加入する健康保険に入る。
それ以外の人は国民健康保険に入る。
そして保険適用の診療は、3割負担で受けることができる。
75歳以上になると後期高齢者医療制度に加入する。
高額療養費制度という1ヶ月の医療費(保険適用分)の上限(所得による)を超えた分は戻ってくる、というありがたい制度まである。
大きな病院にはケースワーカーが常駐し、入院の際に支払いに困らないよう、高額療養費制度などの申請の手続きまで手伝ってくれる。
アメリカのように、盲腸の手術で500万円請求がくる、なんてことはない。
基本的に入院・手術、ということになっても、家計が破綻するような事態にはならないようになっている。
保険未承認の最新の薬・治療を希望する、個室にしたい、など保険適用外のものは、自己負担になる。
また傷病手当金は、会社員等が業務以外が原因の病気や怪我の療養で、仕事に就くことができなくなった場合に、健康保険から支給される。
コロナで休職などの時にも支給されている。(申請が必要、給料が出ない時)
<まとめ>
・保険適用範囲の診療なら、月額の支払いは最高でも10万円ほど。
(所得が低ければもっと少額になる)
・病気や怪我で休業し給料が出ないときは、傷病手当金がもらえる。
2.国民年金
若い人たちは年金を払っていても、将来自分たちは年金を貰えないんじゃないかと、思っている人は多いと思う。
確かにそれは現時点では分からない。
入りたくなくなる気持ちもわかる。
でも国民年金は絶対に入っておいた方がいい。
それは国民年金は保険だからだ。
国民年金は大きく分けて3つの給付がある。
『老齢年金』『障害年金』『遺族年金』
誰もが考える年金といえば『老齢年金』
だけど若い人たちにとって重要なのは、残りの二つ。
国民年金に入っていば、
・万が一、障がい者となってしまった時には、保険料は免除となり、『障害年金」の支給が開始される。
・万が一、夫又は妻に先立たれ、18歳未満の子供がいる場合には、『遺族年金』が支給される。(子供が18歳の3月まで)
国民年金は高いが、万が一の時のために加入した方が良い。
この保障内容を民間保険で受けようとしたら、保険料はこんなもんでは済まされない。
3.労働保険
会社は1人でも従業員を雇った場合、労働保険に加入する義務がある。
『労災保険』と『雇用保険』の2つを合わせて労働保険という。
・『労災保険』労働災害によるケガや病気の治療費・収入を保証するもの
・『雇用保険』育児や介護などによる休業・失業時の収入を保証するもの
民間保険はこれらで『足りないと思われる部分を補うために入るもの』だ。
私たちはもうすでにあらゆる保険に入っている、ということを考えた上で、民間保険を選んでほしい。
支払った保険料は自分のものではない
保険会社に毎月支払うお金は、自分の手元を離れた時点で保険会社のものになる。
いざという時に支給されるかどうかも、保険会社の審査次第だ。
保険会社は、どこもかなり儲かっている。
たまに「保険に入っていたから、病気になったけど儲かった」というような話をしている人がいる。
そもそも保険がおりるということは、その前に保険金が支払われるような、大きな不運に見舞われたということである。
決して羨ましいことではない。
たまたま保険で得する人は少数いるが、ほとんどの人は損をする。
これはギャンブルと全く同じだ。
万が一の事態が起こった時に、家計が破綻してしまうようなことがないように、保険はそのためにかける。
火災保険に入っていなくて火事になると、全てを失ってしまう。
自賠責保険に入っていなくて、車を運転して人を傷つけてしまったら、大変な額の賠償金を払わなくてはならない。
そういう人生を狂わせかねない類のことは、必ず保険に入らないといけない。
結論
民間保険で、人生の全てのリスクヘッジはできない。
なぜなら将来何が起こるかなんて、誰にも分からないからだ。
保険で想定している以外のことが起きても、保険金はもらえない。
保険で想定していることが起こらなくても、保険金はもらえない。
入っておかないと不安、と煽るCMに騙されないように。
保険は究極のサブスクだ。
一度入ってしまうと、あなたの口座から毎月確実に引き落とされてしまう。
私のように、気がついた時には何百万円も払っている。
昔はネット保険は存在せず、保険代理店を通さないと保険は買えなかった。
当然、保険代理店のキックバックが多い保険を薦められた。
今はネットで、自分に合った最適な保険を安く購入できる。
保険に入りすぎないで、お金を貯蓄と投資にまわそう。
その貯めたお金はあなた自身のもの。
病気になったらその入院費や治療費に、病気にならなかったら教育費やレジャー費に好きに使える。保険会社の審査はいらない。
自分の資産になる。
若い人にはこれから何十年も時間がある。
コツコツと時間をかけて、資産を形成していってほしい。