子供1人を育て上げるのにかかる金額は、数千万円と言われている。
家計の3大支出は、教育費、住宅費、老後資金で、それぞれ数千万円単位。
子供はずっと公立でいいし、塾も行かせるつもりはないからという人もいるが、小中高を公立で大学のみ私立でも、ざっくり1000万円近くかかると言われている。
公立でもなんだかんだで年間ウン十万円。
それ以外に養育費として、食費とか被服費とかトータル1000万円くらい。
習い事、旅行、欲しいもの、、、プラスアルファも多い。
日本は他国と比べて、教育費の家庭負担が多い。
国が教育に支出する額が、とても少ないからだ。
OECD加盟36カ国中34位、ビリから3番目。(2022年)
資源のない国なんだから、本当は人材育成にお金をかけて欲しいものである。。。
国立大学の授業料は、昭和50年当時は年間36,000円、今は年間535,800円。
約15倍、この間の消費者物価はたったの約3倍だ。
いかに教育費が他のものに比べて、高騰しているかということが言える。
親心
若い時、私は子供にそんなにお金がかかるとは知らなかった。
呑気なことである。
娘が産まれた時、「なんだこの可愛らしい生き物は!!!」と、心を鷲掴みにされてしまった。
その日から、私の時間は全て娘に献上した。
今だったら保育園に預けて働けばいいのにと思うが、当時はそんなこと考えもしなかった。
バブル崩壊で借金がある。
そのせいで娘の人生を狂わせたくない。
でも無い袖は振れない。
私は早期教育肯定派だ。
最近の各分野のトップは、早期教育を受けた人がたくさんいる。
オリンピック選手なども、親がトレーナーというパターンが多い。
子供が嫌がるのを、無理やりやらせるのは虐待だと思う。
だが小さな子供は、親が楽しそうに教えてくれれば、何でも遊びの一環になる。
勉強もそうだ。
いろいろな早期教育の本を読んだ。
モンテッソーリ、シュタイナー、しちだetc.
お金をかけずに娘の学力の土台を作りたいと思い、それらの良さそうなところをピックアップして、毎日遊びがてらお勉強タイムを作って楽しく過ごした。
私はモンテッソーリが気に入っていたので、モンテッソーリ教育を掲げる幼稚園に入園させた。
ところがそこは”お受験”をする子が集まる幼稚園だった。
小学校から私立なんて全く考えていなかったのでびっくりしたが、ここでは周りに流されることなく(無理!笑)、公立小学校志望として、コツコツ自宅でお遊びのお勉強を楽しんでいた。
そして地元の公立小学校へ。そこは中学受験する子が多かった。
これは中学受験する環境としては非常に良かったと思う。
聞いた話だが、中学受験する子がクラスに1人の小学校では、どうしても塾通いしていると浮いてしまい、子供のメンタルがきつい状態になったりするらしい。
娘は小学4年からサピックスという中学受験大手の塾に行った。
中学受験は塾なしでというのは難しい。
よっぽどの天才児なら大丈夫だろうが、受験の大原則は”みんなが出来る問題を落とさない事”なので、一般人は塾でのトレーニングは必須である。
小さい頃からの、自宅でのお遊び勉強の成果はあったと思う。
毎日勉強することについては全く問題なくこなし、塾のクラスも常に上位をキープすることができた。
学習する習慣がついていたので塾通いは辛くなかったらしい。
授業料は娘が4年生の当時、月4万円台だったと思うが、高いけど授業内容がとても濃いので納得だった。プラス夏期講習、冬季講習などのお金がかかる。
5年生になると授業料は少し値上がりした。
そして6年生。年間100万円を超える金額がかかる。しかもかなりの額をまとめて支払った記憶がある。
4年生5年生と頑張ってきた我が子。
今更「高いから受験やめます」なんていう親は1人もいない。
それどころか成績が思うように上がらない子供の親は、個別指導塾などに行かせて追加課金する。
受験本番になると、複数校の受験料がかかる。
そして見事合格すれば今度は、入学金・授業料・制服や鞄ほかの費用・寄付金まで請求される。
この頃になると、親の金銭感覚は完全に麻痺する、と思う。
受験産業が儲かるわけだ。
昔、母が言っていた言葉を思い出す。
「教育費だけはケチっちゃダメなのよ」
当時子供だった私は、「ふーん。そうなんだ」くらいにしか思っていなかった。
自分のことなのに。
そういえば父の会社が大変な時も、塾に行かせてくれたり、英会話を習わせてもらったりしたっけ。
本当にありがとう!
そのおかげで中学時代は勉強に没頭し、高校は進学校に行く事ができ、大学、就職と上手くいった。
”子を持って知る親の恩”とはこのこと。
親心。
今まで頑張ってきた子供のためならと、足りなければ借金も厭わないかもしれない。
我が家はたまたま娘の中学受験の前に、バブル崩壊の時の借金が完済できていたので、支払いに困ることはなかった。
でももし完済できていなかったとしても、借金してでも最後まで突き進んでいたと確信している。
親は我が子の教育費は払ってしまう習性がある。
だって「教育費はケチっちゃダメ」だから。
なんだかよく分からないうちに、教育費は家計の聖域になってしまうのだ。
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